トップランナー変圧器

目次

従来の変圧器から高効率なトップランナー変圧器に変更することで、省エネを実現した事例を紹介します。

トップランナー変圧器とは

一昔前の変圧器は電力の損失が大きく、それが事業者の電力コストや省エネ活動に負担をかける一因になっていました。そこで政府は、省エネ法にもとづいた特定機器変圧器を指定。大幅な無負荷損失低減を実現する「トップランナー変圧器」といわれる高性能な変圧器の導入を、事業者に求めています。

トップランナー変圧器を導入することで、負荷率(平均利用率)はおおよそ40%の損失低減となり、省エネ効果も期待できます(※)

※参照元:[PDF]一般社団法人日本電機工業会「トップランナー変圧器2014のFAQ」 https://www.jema-net.or.jp/Japanese/pis/top_runner/pdf/faq_transformer.pdf

トップランナー変圧器への更新で年間20kl削減

液晶やFPD露光装置の基幹ユニットなどを製造する宮城ニコンプレシジョンでは、さまざまな省エネ活動を通じて、エネルギー使用量を原油換算で年間60kl削減、エネルギーコストは年間約418万円もの削減に成功しています。この省エネ活動のひとつに、変圧器の交換もありました。

宮城ニコンプレシジョンでは、導入から38年も経過した変圧器を複数台使用していました。このうち3台を、適正容量のトップランナー変圧器に更新。また、現状でも負荷率の低い変圧器もトップランナー変圧器に更新することで、変圧器を1台削減できました。

これらの更新により、エネルギー使用量は原油換算で年間20klも削減。電力コストも大きく削減でき、交換にかかった設備投資費用も約8年で回収できる見込みです。

※参照元:[PDF]一般社団法人省エネルギーセンター「経営改善につながる省エネ事例集2019年度」 https://www.shindan-net.jp/pdf/shindan_jirei2019.pdf

高効率設備への更新で変圧器を2台削減

生鮮市場や海鮮レストランなどを営む八食センター(青森県)では、オープン時から使用している変圧器が9台ありました。このうち4台は照明などの電灯用に、5台は動力用として使用しており、いずれも25年以上も稼働しています。

設備更新時期を迎えたこともあり、これらの変圧器をトップランナー変圧器に更新。電灯用は適正な負荷率であったことからそのまま4台を更新、一方で動力用は3台に統合しても問題ないことから2台削減となりました。

この更新によって、エネルギー使用量は原油換算で年間7kl削減、電力コストも年間50万円以上の削減ができ、省エネとコスト削減を両立できるようになりました。

※参照元:[PDF]一般社団法人省エネルギーセンター「経営改善につながる省エネ事例集2019年度」 https://www.shindan-net.jp/pdf/shindan_jirei2019.pdf

まとめ:重要なのは「変圧器更新」の必要性に気付けるか

エネルギーマネジメントシステム会社比較イメージ

トップランナー変圧器に更新することで、エネルギー使用量に変化がある可能性についてお伝えしました。
しかし、すぐさま投資をして変圧器を更新しよう、という方向に経営層を説得することは簡単ではないかと思います。更新の必要性を訴えかけられるだけの根拠を求められることになるためです。
そういった点でも、重要なのが「エネルギーの見える化」をさせることなのです。なかなか意思決定が進まない機器更新の根拠づけとしても、エネルギー監視システムが役に立つ場合があります。
次のページでは、エネルギー監視システムの詳細や選定すべき業者の分析結果がありますので、ぜひご覧ください。

エネルギー監視システムの
特徴・おすすめポイントを比較してみる

3つの導入理由からひも解く
エネルギー監視システム
おすすめ3選

「エネ監ポータル」では、「自社の範囲に合わせたシステム導入をしたい」、「既存設備の流用がしたい」、 「他社システムとの連携がしたい」、という導入目的に当てはまるシステムを提供している会社を提供会社の分類から1社ずつご紹介します。

ITを軸にしたエネルギー監視システム
クレアビジョンEverGreenVision
クレアビジョン

引⽤元︓クレアビジョン公式サイト(https://clairvision.co.jp/service/ever-green-vision/)

エネルギー監視システム用のソフト開発から、パッケージ化されたシステムの提供までを実施。ITを軸にした価値提供をしています。

EMSの特徴
  • 監視できるエネルギーの範囲や機能にほとんど制限がない
  • 既存計器や安価な機器も組み込める
  • 電気や水・ガスなどのエネルギーを計測できる
  • IoTに関連した機能により故障予知や原単位管理も可能
導入後サポート
充実した監視システム
マクニカKisenseⓇ
マクニカ

引⽤元︓マクニカ公式サイト(https://www.macnica.co.jp/business/energy/products/136384/)

マクニカは世界中の先端テクノロジーを組み合わせた提案・販売を得意とし、技術商社としての立場を確立してきた企業です。

EMSの特徴
  • 世界的に多数の導入実績があるEMS
  • センサーを中心に扱っている企業のため、知識力が高い
  • データレビューのサービスがあり、導入が無駄にならない
  • Windowsの操作に似た操作感で直管的に使える
ガスと電気の総合自動制御システム
東京ガスエネルギーサービス
東京ガス

引⽤元︓東京ガス(https://eee.tokyo-gas.co.jp/service/energymanagement/detail.html)

ガスと電気を対象にした自動制御によるエネルギーマネジメントシステムを提供。気象情報データと連動させた計画運転も可能です。

EMSの特徴
  • 遠隔での監視・運転制御により省コストを実現
  • 室温に応じた省エネ運転を室外機の遠隔制御により自動で行う
  • 遠隔監視により故障予知や省エネ運転なども可能

【選定条件】
「エネルギーマネジメントシステム」としてピックアップした事業者について:2023/6/30時点、「エネルギー管理システム」「エネルギーマネジメントシステム」「エネルギー監視システム」でgoogle検索を実施し、100位以内に表示された事業者52社から選出。
「自社の範囲に合わせたシステム導入をしたい」「既存設備の流用がしたい」「他社システムとの連携がしたい」「複数メーカーの機器を一元管理したい」という要望に応えられる事業者の内、各業種の分類から実績数が明確かつ多い企業をおすすめとして掲載しています。