エネルギーマネジメントシステム(エネルギー監視システム)の基本的な情報をはじめ、企業・団体の導入事例もあわせて紹介します。
すべて【どんな企業が】【どんな課題を感じて】【何をどのように導入して】【どんな効果が得られたのか】という形に見やすく整理しました。
目次
エネルギー監視システム(エネルギーマネジメントシステム)の役割
エネルギーマネジメントシステムを導入すると、電気などのエネルギーの使用状況を容易に把握できるのはもちろん、そのデータを分析することで無駄な使用エネルギーを削減でき、経費削減につなげられます。近年では、インバータなどの制御機器を活用することにより、消費電力を自動で制御するシステムのニーズも高まっています。
エネルギーの見える化
エネルギーマネジメントシステムの重要な機能のひとつが、使用状況の「見える化」です。「いつ、どこで、どれくらいのエネルギーが使われているか」といったリアルタイムの使用状況を確認でき、そのデータをもとにピーク時の使用量を下げたり無駄な場所を突き止めたりしながら、効果的な省エネ対策が打てるようになります。
事例1.個別のシステムを統合し業務効率化・人的コスト削減
棟ごとに既設のSCADAが導入されており、エネルギーを監視していたが、独立したシステムとなっていたため、管理業務の効率が上がらない悩みがあった。
PLCは三菱電機製や横河電機製。マルチメータやリモートI/Oは三菱電機製、渡辺電機工業製や第一エレクトロニクス製等と複数メーカが混在していたものを一括管理。
各システム、PLCを一括管理ができ、ご担当者の管理業務の効率向上、人的コストの削減につながった。
参照元:クレアビジョン https://clairvision.co.jp/works/energy-monitoring-system/
エネルギーの自動制御
エネルギーマネジメントシステムには、あらかじめ定めたエネルギー使用量を超える前に電力を自動でセーブしてくれる機能もあります。空調や照明といった設備や、発電・蓄電設備などを自動制御することで、ピーク電力や全体の消費電力を抑える効果も期待できるでしょう。
オフィスビルのエネルギーマネジメントシステム導入事例
各企業・施設のエネルギーマネジメントシステム導入についてご紹介していきます。
事例1.築40年以上のビル管理が容易に
洗剤や歯磨きなど、暮らしをケアする商品を数多く提供する会社の所有するビル
省エネ施策において、できることはほとんどやり尽くしていたが、さらなる省エネ対策を推進を実施するうえでBEMSが必要だと判断した。
照明のLED化や遮光フィルムの導入などで節電対策を行っていたが、BEMS導入後は、空調や照明など用途別使用電力量を把握できるようになり、空調機の間引き運転も可能に。
室温管理も空調の自動制御により、社員から「暑い」「寒い」といった管理室への連絡も減った。
築40年のビルをさらに長く使い続けるため、BEMSで取得したデータが今後の設備改修工事の参考にもなっている。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/bsc/nou_419/index.html
病院のエネルギーマネジメントシステム導入事例
医療施設やクリニックのエネルギーマネジメントシステム導入についてご紹介していきます。
事例1.電力の見える化で節電意識も向上
1953年に開院した外科診療所。電子カルテをいち早く導入するなどIT化にも注力している。
電力使用量が増え続ける一方で、料金値上げもあって経費削減が喫緊の課題になっていた。
節電は職員の意識任せで、個人差もあった。BEMSは導入で個人に頼らず効果的な節電を目指した。
導入前のデマンドは381kWだったが、導入後は332kWまで減少。1日の電力使用量も減少している。
使用電力量の見える化で、エアコンを入れる時間をずらすなど職員の節電意識がさらに高まった。
事例2.モニタニングも一任で本業に専念
神戸市で地域に密着した総合病院として、質の高い医療サービスを提供している。
電気料金の値上げ対策に加え、職員に管理運用負担のかからない節電ソリューションを求めていた。
以前よりデマンド監視サービスを導入していたが管理負担が重く、電力を自動調整してくれるBEMSに変更し、管理負担の軽減を目指した。
デマンド値を138kWから124kWに引き下げたが、ピーク時もこれを超えない運用を実現。電気料金も半年で20万円も削減できた。
電力使用量のモニタニングも業者に一任しており、本業に専念できるようになった。
事例3.導入2年で25%のエネルギー削減
24もの診療科を有す、大阪市中央区の総合病院。公的施設に準じた病院として1951年に開院。
第一種エネルギー管理指定工場の指定を受け、省エネルギーセンターの現地調査対策として、より効果的な省エネ活動の推進が必要になった。
空調機プログラムの変更など空調システムを改善したほか、夜間照明やエレベータなどの運転時間の制限も徹底した。
導入初年度は原油換算で約16%のエネルギーを削減、2年目も約9%を削減し、2年間で4分の1程度の省エネを実現。
院内広報誌で省エネ活動を紹介したことで、職員の意識向上につながっている。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/bsc/nou_397/index.html
事例6.見える化による分析と対応
福岡県北九州市にある、560名もの従業員を抱える医療施設で、看護専門学院も併設されている。
施設の経費削減は地域医療の充実に直結するため歴代の事務局長が省エネに力を入れてきており、導入を検討した。
見える化サービスを導入し現状を把握、空調の稼働方法の見直しや講堂での電気の使い方を意識、併設の看護学校への協力依頼などで省エネに取り組んだ。
過去の実績と比較して使用電力量17.3%のダウンを実現している。
生徒も含めたみんなが納得して省エネに取り組み、省エネ活動が当たり前という意識が根付きはじめた。
参照元:日本テクノ https://www.n-techno.org/?p=1973
事例7.環境に配慮した病院の実現
1949年に設立され2011年に転院し、全室個室の一般病棟やハイブリッド手術室など555床を有する医療施設。
2011年に移転し「次世代型グリーンホスピタル」として開院しており、その一環として考えられるすべての技術を取り入れるために導入を検討した。
自然エネルギーを取り入れた省エネ技術や井水熱利用ヒートポンプ・蓄積システムの導入に加え、BEMSの導入により空調・衛生・電気設備の管理やエネルギー効率の改善サポートなどを利用し、収集データをエントランスの見える化パネルへの表示などに取り組んでいる。
年間の1次エネルギー消費量が従来比で約45%、CO2が約46%、電気料金は約2億5千万円の削減効果が出ている。
国交省の「住宅・建築物省CO2推進モデル事業」に採択され、省エネ対象の最高賞などの権威ある賞を多数受賞している。
参照元:ジョンソンコントロールズ https://www.johnsoncontrols.com/ja_jp/insights/2019/case-study/ashikaga
事例8.設備更新による省エネ・省コスト
1995年に開業された介護老人保健施設で、日常生活の介護支援や心身健康維持支援などを行っている。
設備の老朽化に伴うコスト増大に悩まされており、施設運営に支障をきたさないよう改善するため導入を検討した。
老朽化した設備の入れ替えに伴い、EMSの導入を行ったことにより空調・給湯設備の自動制御や照明のLED化、エネルギーデータの分析などにより大幅な省エネ・省コストを実現している。
エネルギーコスト及びCO2排出量の削減を実現し、補助金申請要件である省エネルギー率の基準である10%を大きく上回る34.1%を達成している。
エネルギーやコストの削減量が可視化されたことにより、省エネ意識の向上が図れた。
参照元:ジョンソンコントロールズ https://www.johnsoncontrols.com/ja_jp/insights/2019/case-study/villa_kanoya
事例9.患者様に配慮したエコ施設に
組織全体で環境負荷低減活動に取り組んでいる医療施設で、京都府を中心に約170の医療・介護関係施設を運営している。
省エネに取り組むにあたって重要な患者様への環境配慮として、温湿度を管理しながら空調の制御ができる、ということが決め手になった。
電力センサーや温度・照度センサーを設置しており、空調なども含めて管理できるEMSを導入しています。運用改善策として給湯設備の改善も行っており、エネルギーコストの削減に取り組んでいる。
EMSの空調運転制御を行うことにより、空調使用エネルギーで10%以上、デマンドも30kW削減することに成功している。
無線システムで利用ができるため、患者様への配慮を十分にできる環境で利用することが可能になった。
参照元:EMI https://emi-group.co.jp/casestudy/
事例10.24時間稼働施設の省エネ対策
横浜の高台に位置し、約150名が入所する介護老人保健施設で、24時間稼働の施設。
開業11年目を迎え、空調の不調による設備の更新が必要だった。さらに東日本大震災以降は省エネも社会的義務であると感じたため、導入を検討した。
空調と証明の入れ替えを行う際に、制御と使用量が確認できるEMSを導入することにした。無駄な運転や消し忘れ、温度ムラなどを自動で制御してくれるシステム。
導入3か月目で使用電力量が前年比21%、デマンドが28%の削減にそれぞれ成功しており、年間での電気料金も大幅に削減できる見込み。
朝礼や会議時にデータを共有することにより、職員の省エネ意識が高まった。
参照元:日立ビルシステムズ https://www.hbs.co.jp/case/bivale/001/
BEMSにおける省エネの具体的施策を見る
エネルギーの見える化が省エネ成功の鍵
企業省エネを成功させるには、まずエネルギーの見える化を推進させる必要があります。
エネルギー監視システムは様々な企業から提供されていますが、自社に合うシステムとはどんなものでしょうか。
そこで、エネルギーマネジメントシステムの専門ポータル「エネ監ポータル」では、各社を独自の視点で分類、比較してみました。
エネルギー見える化システム導入の業者選定でお役に立つコンテンツです。
エネルギー監視システムの
特徴・おすすめポイントを比較してみる
工場・製造設備のエネルギーマネジメントシステム導入事例
製造業のエネルギーマネジメントシステム導入についてご紹介していきます。
事例1.機器レベルの消費電力を見える化
1955年創業、自動車部品をはじめ精密部品の製造企業。小ロットから大量生産まで行える生産体制を持っている。
コスト削減の一環で節電にも取り組んできたが、さらなる効果を実現するためにもっと精度の高い効果検証を行えるしくみが必要になった。
従来は、電力使用量を自動計測できる監視モニターを導入し、全体的なピーク電力の引き下げなどを実施していた。エネルギーマネジメントシステムの導入により、機器レベルの見える化を実現。工作機械停止後の電力消費まで突き止められるようになった。
待機電力やコンプレッサのエア漏れなど問題箇所の修繕により、使用電力量を11%削減できるようになった。
小さな施策でも効果が上がることがわかり、従業員の節電意識が高まった。節電を意識して、機械修繕を積極的に行うようになった。
事例2.デマンド値と電力使用量を抑制
1928年創業の金属プレス企業。深絞りプレス加工を得意とし、製品は家電や自動車の部品などに使われる。
デマンド値を抑制することで、電力基本料金の値上げに対応したかった。
デマンドの監視はもちろん、空調機器の制御も自動でおこなうエネルギー管理システムの導入により、現場環境を守りつつ高い節電効果が期待できた。
電力削減率は5%OFF。デマンド値の抑制もできており、基本料金のアップも抑えている。
節電のため、工場のスタッフに負荷をかけることなく制御できており、以前と変わりなく運用できている。
事例3.社員が連携して節電対策を実施
工業用原料向けの大型紙袋を中心に、ポリエチレン袋、PPアルミパックなど各種包装資材を提供するメーカー。
コスト削減の一環で電気料金の削減を図るとともに、全社員に対して省エネの意識を高めたかった。
異なる部署で大型機械を同時使用することが、デマンド値に影響を与えることが判明。部署間で調整しながらデマンド値の抑制に努めた。
導入したことで電気使用量を9%削減。システムの導入コストも10年でペイできる想定。
全社員に節電に対する啓蒙ができたうえ、部署間で連携しながら節電目標を達成できたことで横のつながりが深まった
事例4.省エネ推進活動をさらに加速
生コンクリートの製造販売。環境保全・社会貢献を重要視した事業展開に取り組んでいる。
CSRの取り組みとして省エネを推進しているが、その活動をさらに進めたい。
LED照明をいち早く取り入れるなど節電対策を実施。さらなる節電を目的に、リアルタイムで電力需要を確認できるデマンド監視装置を導入。
ピーク時の電力消費量を抑えることで、契約電力を20kW下げたプランに変更。電力使用量も削減できた。
省エネ活動が評価され、東京都の温暖化対策セミナーで取り組みの紹介を発表するなど、さらなる社会貢献に努めている。
事例5.設備稼働の見直しで大幅な省エネ
半導体や液晶の製造装置、印刷関連機器などの産業用機器を提供するメーカー。
事業所単位で構築していたEMSが不効率なうえ、エネルギー管理体制も全社への働きかけが不十分だった。
EnMS(エネルギーマネジメントシステム)認証を目指し、エネルギー監視とデータ検証を第三者機関に委託。
EnMSを取得できるとともに、CO2削減量は年間110t、エネルギー削減量は原油換算で年間60klを実現。
さらなるエネルギー効率化を目指し、データ分析・検証に注力。
参照元:ISO50001ポータルサイト http://iso50001.jp/images/jirei/jirei002.pdf
事例10.各プラントを統一して管理
1990年設立の地域冷暖房事業を展開する企業で、各施設への熱供給などを行っている。
プラントの運営開始から10年程度が経過し、中央監視システムが老朽化してきたためシステム更新の検討を始めた。
これまでは3か所あるプラントについて、各々独立したシステムにより管理を行っていたが、更新を機に統一システムを導入しプラント間の協力体制やコスト削減を図った。
新システムにより電気・ガスの両エネルギーを効率的に利用するベストミックスが実現されている。
運転支援システムの画面が本社オフィスでも閲覧できるようになり、各部門や経営層が運転の状況を確認できるようになった。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/aac/nou_430/index.html
事例11.品質管理と環境保護を同時に強化
東日本でグリコグループが展開していた3社の生産会社が統合されて誕生した企業。
生産する商品の品質保証や生産工程で発生する二酸化炭素排出量削減などの環境保護への取り組みを強力に推進すべく、各システムを導入した。
これまでも品質保証と環境保護には力を入れており、今回を機に江崎グリコ本社主導のもと、入退室管理・食品トレーサビリティシステム、中央監視システムの導入を行った。
現場の生産プロセスを踏まえながら省エネ施策を立案し、エネルギー削減が実現されている。
食品トレーサビリティにより問題ロットの洗い出しや事故の防止、入退室管理による勤怠管理の参考データを得られるようになっている。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/aac/nou_410/index.html
事例12.機器の稼働把握による見える化
創業以来、70年以上の長きにわたりタンカーやコンテナキャリアなどの船舶を建造してきた企業。
工業系統用・塗装工場用に分かれていたエアの系統について、コンプレッサの老朽化のために更新を検討した。
これまでは所長を中心とした省エネ推進会議により省エネパトロールなどに取り組んでいたが、コンプレッサの更新を機に両系統のコンプレッサを協調制御させて全体の最適化を図ったことにより取り組み状況の見える化が実現できた。
稼働後6ヶ月時点では電力量が月平均で前年度比16%程度の削減、電力のデマンド契約も350kW程度の削減を実現している。
これまで把握できなかった機器の稼働状況がデータで蓄積できるようになったため、さらなる省エネルギーを追求できる体制が整った。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/aac/nou_407/index.html
事例13.見える化による効率的な電力削減
世界に市場展開する印刷インキメーカーで、有機顔料や合成樹脂をもとに複数の事業展開を行っている企業。
東日本大震災後に発生した電力需要のひっ迫によりエネルギー把握と削減への取り組みの重要さを痛感し、「見える化」を実現するシステムの導入を決断した。
工場では以前から発電設備の整備などに取り組んでいた。 EMSの導入により各現場の使用電力などを確認することが可能になり、新たに設置した省エネルギー推進委員会が省エネ活動に取り組めるようになった。
導入した2012年と2010年の同期間対比で、製造部門の電力原単位・補管部門の電力使用量共に当初の目標を大幅に上回る成果を実現している。
「見える化」が実現されたことにより、従業員の省電力・省エネルギーに対する当事者意識が醸成されている。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/aac/nou_403/index.html
事例14.電力使用量の見える化と需要予測
2005年に包装容器メーカー2社が合併して生まれた、段ボール・紙器製品の供給を行う企業。
東日本大震災に伴って発令された電気事業法第27条を契機に、生産現場における電力消費の見える化に着手した。
これまでは検針データを取り込み伝量使用量を把握していたが、あくまでも過去の実績数値だった。新たな管理システムの導入により電力消費の結果だけでなく、需要予測も行えるようになった。
今回の取り組み施策により、政府が設定した電力削減義務を達成できている。
管理システムを見ることができるパソコンを生産現場に設置しており、現場担当者の省エネ意識の醸成も図れている。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/aac/nou_369/index.html
事例15.設備を強化する省エネシステム
建築の構造材に使用される鋼材などを生産する大手製造業。
今後の増産計画として工場への大型設備投資が決定した際、利用する補助金の補助率を上げられる取り組みとして検討した。
導入を決めていた設備の状況なども踏まえた上で更なる省エネ余地を検討し、加熱炉の最適温度制御や燃焼空気ブロワのインバータ制御が行えるシステムの導入に至った。
新システムの導入により年間削減目標である原油換算500klを達成した。
取り組みによる省エネルギー化に伴い、省力・省人化の効果も出ている。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/aac/nou_473/index.html
事例16.燃料転換を後押しするEMS
生乳や脱脂粉乳、生クリームやチーズなどの製品の生産や、自社工場への原料供給を行っている企業。
工場の設備更新時期を控え、高効率化や地球温暖化対策に取り組むため燃料転換を行うことを模索している中で検討に入った。
これまでも省エネには取り組んでいて、今回は蒸気圧の減圧制御を行えるEMSの導入を行い、本社からもエネルギーの使用状況や制御状況を確認することができるようになった。
燃料転換・蒸気圧減圧に付帯する工事が完了してからエネルギー削減量は順調に推移し、5か月間の実績として年間削減目標値の5割以上を達成した。
今まで把握できていなかった情報が把握できるようになり、設備管理が容易になった。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/aac/nou_471/index.html
事例17.最適化による発電量の強化
特殊東海製紙(株)の主力事業であった産業用紙事業に注力するため、2016年に工場が分社化された企業。
バイオマス発電設備を導入するにあたって利用を検討していた補助金の補助率引き上げの対象となるため導入を検討した。
以前のパルプ部門の制御システムの実績も踏まえEMSを導入し、自家発電設備を常に最適化に制御することで、同じエネルギー使用量でもより発電力が大きくなるような運転を実現できた。
省エネ効果を検証するための確定検査を実施すると、エネルギー削減要件である原油換算500kl/年を達成した。
ほとんどお任せの状態で最適化が実現されており、オペレータの負担が軽くなった。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/aac/nou_460/index.html
事例18.投資効果をアップさせるEMS
2~3年後をめどに工場設備のリニューアルを予定しており、コスト・省エネなどの観点からどのような設備が自社に適しているか考えていた電機メーカー。
夏場のエネルギー使用量が高いという課題があり、当該設備の更新だけでは投資コストが薄くなってしまうという課題を抱えていたため導入を検討した。
夏場のエネルギー使用量が高かった要因として、更新を検討していた設備の効率が悪く冷熱源システムが非効率だったことが判明したため、新たな冷熱源省エネシステムを導入した。
高効率運転制御によりシステム全体の効率化が可能になり、省エネ量がアップした。
システム稼働後にも適切な指導を受けられ、計画通りの省エネ効果を得られることが確認できた。
参照元:東芝三菱電機産業システム https://www.tmeic.co.jp/product/industries/process/facility/ems/case/
事例19.事業所間での省エネ情報の共有
鶏肉の加工を中心に、冷蔵センターや配送センターから小売施設までを運営している企業。
鹿児島県内にある13の事業所全てで省エネに取り組んでいる。
加工工程や空調の使用を見直し、機器の立ち上げ分散に取り組んだ結果、ほとんどの事業所でデマンド値の改善を実現しました。他にもオペレーション改善や照明交換などによりさまざまな改善効果が出ている。
過去の実績と比較すると使用電力量5.3%の削減を実現している。
各事業場での実践結果を共有することにより、社内に多くのノウハウが積みあがっている。
参照元:日本テクノ https://www.n-techno.org/?p=338
事例20.省エネを加速させるEMSの導入
4,000億円以上の売上とグループ連結で10,000人以上の従業員を抱えるバネの世界的メーカー。
2008年に全社的にCO2の削減目標を掲げてから本格的な省エネ改善に取り組み始め、さらなる改善をするためには「電力の見える化」が必要だと感じ導入を検討した。
以前は毎月1回、担当者が時間をかけて変電設備を巡回しデータを収集していた。電力監視システムを導入し、電力集計システム・省エネ改善の効果測定ツールとして活用している。
電力使用状況の把握が容易になったことにより、電力使用概況の目安・指標を設定し管理できるようになった。
実績の分析迅速化や改善効果の短時間での確認が行えるようになった。
参照元:セイコーソリューションズ https://www.seiko-sol.co.jp/case/nhk-spg/
FEMSにおける省エネの具体的施策を見る
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商業施設のエネルギーマネジメントシステム導入事例
スーパー等小売店のエネルギーマネジメントシステム導入についてご紹介していきます。
事例1.自動制御で消費電力を10%削減
埼玉県を中心に展開する総合食品スーパー。鮮度のよい食材をリーズナブルな価格で提供している。
快適な店内環境を維持しながら電気代を削減し、その削減分を顧客サービスに還元したい。
消費電力の見える化で、スタッフに節電意識を啓蒙。さらに効果を高めるため、電力使用量を自動制御できるエネルギー管理システムを導入した。
自動制御により消費電力は10%削減に成功。スタッフの節電意識の高まりによって、さらに削減できた。
効果が確認された後、店内照明をLEDに交換するなど、さらなる節電にも取り組んでいる。
事例2.CO2排出量を3割以上削減
京急線上大岡駅(横浜市)に直結する大規模複合施設。商業施設やオフィスタワーなどから構成される。
施設のエネルギー消費量について、省エネ法で定める年間3,000キロリットル以下(原油換算)に削減することが求められた。
主に空調設備の運用見直しで、制御プログラムの追加や設定値変更などの運用改善によって、エネルギー消費のムダを削減。
2010~2012年度までの3カ年で、CO2排出量を31.3%削減。
冷水・温水ポンプの動力にかかる電力を削減。室内温度設定も、時期に応じて柔軟に変動させることで、温水使用量をほぼゼロに。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/bsc/nou_424/index.html
事例3.CO2取引をおこなう複合商業施設
国内最大級の全天候型施設で、160もの店舗や施設が集まる複合商業施設。
これまで大規模な省エネ対策を複数回実施してきたが、冬場のエネルギー消費量の削減が難しかった。
空調機ファンと温水搬送ポンプにインバータ導入により、風量や流量を最適に制御。電気使用量の削減をめざした。
冬場5カ月間におけるエネルギー消費量を、1.05%削減。目標値を大幅に上回る省エネ青果をあげられた。
ショッピングモールとしては先進的な取り組みとして、CO2取引を実施している。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/csr/pdf/report2011.pdf
事例4.地下街の省エネを推進
神戸市の中心地・三宮の地下に広がるショッピングモール「さんちか」の運営会社。
中央監視システムの更新にともない、リアルタイムでデマンド監視ができるしくみを検討していた。
スマートフォンや大型LCDなどで、エネルギーの消費状況を確認できる環境を構築。全スタッフが情報を共有しやすくなった。
導入から2年で、ピーク時の電力を600kW削減。デマンド契約値を下げることにもつながった。
施設運営スタッフだけでなく、テナント企業にも照明のLED化を進めるなど、省エネ意識の向上が広がっている。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/bsc/nou_406/index.html
事例5.省エネ目標の2倍を超える成果
神奈川県藤沢市にある水族館。相模湾の生態系を再現した大型水槽など、さまざまな展示施設がある。
中央監視システムでは主要設備の警報に限られ、水槽内の水温などはスタッフが確認するなど省エネ施策の展開に限界があった。
飼育施設の温度や水位なども中央監視システムで確認できるようにし、さらにポンプ類のインバータ制御、空調機の間欠運転など実施。
当初の省エネ目標と比べ、1年目は約240%、2年目は257%など、2倍を超える成果が得られている。
現場作業の省力化につながるとともに、職員の省エネに対する意識向上にも寄与している。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/bsc/nou_425/index.html
事例8.売上を補う省エネのコスト削減
九州に本部をおく観光葬祭業を中心としたグループ企業で、埼玉県で主に婚礼事業を展開している事業所。
婚礼需要の減少を機に、グループ内で経費の見直し及び削減がテーマになったことをきっかけに導入を検討した。
基本料金を決める契約電力の仕組みを理解していなかったため簡易な節電のみに注力していたものの、空調集中管理システムのモニターによる管理を行うことにより大幅な節電を実現することができている。
導入前年の実績と比較して、電気使用量を15.1%削減することに成功している。
節電が実現できたことにより、次のステップとして他の経費削減にも取り組めるようになった。
参照元:日本テクノ https://www.n-techno.org/?page_id=15
事例9.多店舗展開を支えるEMS
首都圏を中心に全国で多数の店舗を展開している家電量販店を運営する企業。
東日本大震災を契機に、3店舗でのトライアル導入を経た上で導入店舗を順次拡大してきた。
今までは店舗側の裁量で節電を行っていたものの、EMSの導入により店内のセンサーでの空調自動制御や本社からのクラウド管理による全店舗の空調設備コントロールなど効果的な省エネ対策を取ることができるようになっている。
利用開始年と比較して、使用電力を43%削減することに成功している。
自動制御により常に快適な環境が保たれるようになっており、従業員の主観の影響を取り除けるようになった。
参照元:日立システムズ https://www.hitachi-systems.com/case/distribution/1808/
事例10.店内環境を最適に保つEMS
書籍や音楽、映像、ゲームなどのエンターテインメント商品の販売やレンタルを行う店舗を300店舗展開している企業。
省エネや見える化を検討していたところ提案を受け、お客様の滞在が長い店舗において重要な点内温度環境を安心して任せられるシステムなので導入した。
過去には別の省エネシステムを導入したが、店内の環境維持はがうまくいかなかった。今回導入したEMSは店舗の自主性と省エネ行動の両立を図れるもので、データをインターネットで確認することもできた。
自動制御による空調の効率運用で使用電力量を22%削減し、デマンド管理を行うことで契約電力を13%削減することに成功している。
無理な省エネを行うことなく、温度センサー情報に基づく空調の自動制御により、店内環境を悪化させることなく管理できている。
参照元:EMI https://emi-group.co.jp/casestudy/
REMSにおける省エネの具体的施策を見る
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飲食店のエネルギーマネジメントシステム導入事例
飲食業のエネルギーマネジメントシステム導入についてご紹介していきます。
事例1.節電施策を実施し省エネを実現
三重県鳥羽市に位置する、従業員数10名程度の日本料理店。
知識がなく省エネ策が実現できていなかったところに、営業担当からサービス提案を聞いて導入を決意した。
アドバイスを踏まえ、ピーク時に冷凍ストッカーの電源を切る・冷蔵庫の霜取り回数を減らす・空調機の稼働タイミングをずらすなどの対策に取り組んだ。
過去の実績と比較して使用電力量28.8%ダウンで、年間約100万円の電気代節約を実現した。
自分たちでは思いつかないアドバイスを受けることができ、納得・満足度が向上した。
参照元:日本テクノ https://www.n-techno.org/?p=502
事例2.電気の見える化による状況共有
茨城県水戸市に位置する、茨城県の郷土料理を家族連れや観光客に提供する和食レストラン。
系列店にEMSを導入し成果があがっていたため、当該店舗でも電気の見える化を図っていくことが決まり導入を検討した。
今までは気にしつつも作業優先となっていたものを、EMSの導入によりデマンド値に応じた警報アラームなどにより従業員の省エネ意識を促すよう取り組んだ。 電気の見える化を通して、さまざまな省エネ策を検討・実施している。
過去の実績と比較して電気使用量5.1%ダウンの実現に成功した。
広い店舗・多い従業員ながらに省エネに対する意識が根付いて、取り組みのための意識継続ができるようになっている。
参照元:日本テクノ https://www.n-techno.org/?p=927
事例3.見える化による従業員の意識改革
1963年の創業以来、沖縄県で25か所のハンバーガーチェーン店「A&W」を展開している企業。
省エネを通じて沖縄県の自然を守ることが、お客様に満足して頂ける店舗づくりに繋がると考え全店を挙げて取り組むようになった。
まずは1店舗で使用量が把握できるメーターの導入から始め、その後各店でも導入し設備の利用時間や倉庫の配置換えなどによる省エネ対策を随時実施した。
過去の実績と比較して電気使用量13.4%の削減に成功している。
電気代の削減目標を掲げられるようになり、省エネに対する意識・興味が高くなってきた。
参照元:日本テクノ https://www.n-techno.org/?p=965
飲食店省エネの具体的施策を見る
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学校のエネルギーマネジメントシステム導入事例
これから必要性が拡大していく教育施設のエネルギーマネジメントシステム導入についてご紹介していきます。
事例1.広い学園でも自動制御で負担軽減
1939年の建学から80年以上の歴史を誇る、高校・短大を運営する学校法人。
少子化にともなう経営のスリム化を目指すうえで、電気料金の削減も必要だった。
電気料金の値上げを契機にデマンド監視装置を導入。広い学園内の設備を人手で調整するのが大変だったので、自動制御によるエネルギー管理システムを導入した。
自動制御により、月額6万円の電気料金削減に成功。管理負担も大幅に軽減できた。
節電効果をさらに高めるため、LEDや人感センサーなど設備投資も模索できるようになった。
事例3.自発的な省エネを促すシステム
理系単科大学で、科学技術を中心とした教育・研究を展開し、技術者・研究者を社会に送り出している国立大学。
学内にいる教職員や学生がどの程度節電すればいいかを把握できておらず、「見える化」の仕組みが不可欠だと考え導入を検討した。
これまでは中央監視システムにより電力消費量に応じて学内に自動放送で呼びかける仕組みが採用されていた。 新システムの導入により建物ごとの管理やWebから電力使用状況の確認ができるようになった。
電力消費がピークを迎える冬場を通して、今まで以上に高い省電力効果が得られるものと期待をされている。
電力使用や省電力に対する、学生や教職員の関心が高まっている。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/aac/nou_402/index.html
事例4.電力使用量の見える化による改善
9の学部と5の大学院研究科、2の専門職大学院、2の研究所、医歯学総合病院を有する大規模な総合大学。
東日本大震災後に発令された電気事業法第27条を契機に新たな取り組みが始まった。
大学の活動は異なる地域にある2つのキャンパスで行われており、両拠点における既存の建物管理システムをもとに使用電力の可視化が図られた。新たな管理システムを導入すると、元の施設管理用画面よりも見やすく取り扱いやすくなった。
2011年夏季の実績として、当初目標だった20%削減を大きく上回る23%削減という結果を出すことができた。
他の地区の電力使用状況と比較ができるため、学生・教職員の節電に対する意識改革にもなった。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/aac/nou_377/index.html
学校施設省エネの具体的施策を見る
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その他のエネルギーマネジメントシステム導入事例
ゴルフ場などのレジャー施設やCSR活動としてなど、さまざまな業態や目的のエネルギーマネジメントシステム導入についてご紹介していきます。
事例1.震災時の節電要請にも柔軟に対応
日本の空の玄関として1978年に開港。2004年に完全民営化され、施設整備など空港運営全般を担っている。
広い空港施設内の快適性を保ちながら、さらなる効果的な省エネ施策を進めることが求められた。
BEMSの収集データをもとに、空調設備の設定や外気導入量の見直しなどを実施。エネルギー損失を最小限に抑えながら運転の最適化を行った。
空調機の稼働時間を短縮しても、快適さを損なわず省エネ運用を実現できた。
東日本大震災後の節電対策にも、BEMSを活用した省エネ施策のノウハウが生かされている。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/bsc/nou_374/index.html
事例2.省エネ率20%以上の効果を達成
全国120カ所以上のゴルフ場を運営する、日本最大級のゴルフ場運営会社。
改正省エネ法の施行にともない、管理するゴルフ場を含めすべての施設のエネルギー管理が必要になった。
高効率の空調設備や給湯器など設備を置き換え、これらの運転データをBEMSで把握できるようにした。
ゴルフ場によっては、省エネ率の目標値(15.7%)をはるかに超える20%以上を達成できた。
機器交換によってメンテナンスの手間も大幅に軽減。また、リアルタイムでエネルギー使用量を確認できることから、使用量の急激な変動にも迅速な対応ができるようになった。
参照元:アズビル https://www.azbil.com/jp/case/bsc/nou_385/index.html
事例8.需要側で取り組める省エネ活動
真宗大谷派の本山で、京都にある寺院です。文化施設に調和したさまざまな省エネに取り組んでいる。
原子力に依存しない社会の実現を目指しており、供給側だけでなく需要側でも対策を実施する必要があると考え、導入を検討した。
これまでにさまざまな省エネ設備の導入を進めており、今回のEMS導入により施設ごとのデータ把握が容易になった。思わぬ電力使用の発見などに繋がり、運用改善に役立っている。
計測データの確認を踏まえた運用の見直しを行い、空調の電力使用量の削減とデマンドを85kW削減することに成功している。
計測データの負荷要因を調べることにより、不必要に稼働していた設備のあぶり出しも行えている。
参照元:EMI https://emi-group.co.jp/casestudy/
事例9.最適運用を自動制御するEMS
長崎市にあるオランダの街並みを再現したテーマパークで、環境問題への事業や取り組みを行っている。
さまざまなエネルギーに関する事業や取り組みを行う中、CGSの運用におけるガス供給のバランスなどが課題となっていた。
これまでは大型のCGSを利用する中で、運用管理者が常に負荷需要やガス残量を気にしながら手動で行っていた。今回EMSを導入することにより、補給スケジュールや最適な運用計画に基づく自動制御が実現可能になった。
電気やガスのコスト削減、最適な契約電力などで年間1,400万円へのコスト削減効果が期待できる。
今まで手動で制御していたものを自動制御で管理できるようになるため、運用管理者の負担軽減効果も得られた。
参照元:日新電機 https://nissin.jp/product/newenergy/control/pdf/catalog_8211.pdf
事例10.自社で取り組みノウハウを蓄積
施設総合管理事業・指定管理受託事業・環境プラント事業などを行っている企業で、首都圏を中心に全国19か所に支店や営業所を展開している。
自社の成長のため、ISO50001に基づくRMSを導入し認証を取得することを決定した。
エネルギー使用量の削減や効率化は、環境マネジメントの課題として従来から取り組んでいました。その実績を活用しながら効果を高めるため、運用方法の分析や見直しを行いBEMSの導入などを行った。
空調設定温度の変更などにより、1日あたりの平均使用電力を8%程度削減することに成功しています。さらにデマンドについては約18%減少を目指して取り組んでいる。
社内へのノウハウ蓄積により、管理物件におけるエネルギー管理の信頼性をお客様にアピールすることができるようになった。
参照元:経済産業省資源エネルギー庁 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/iso50001/case/index.html
データセンター省エネの具体的施策を見る
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エネルギーマネジメントシステムとSCADAの違い
SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition)とは、主に工場のインフラや生産工程などを監視制御するシステムで、データを取得できる点においてもエネルギーマネジメントシステムと同じです。
エネルギーマネジメントシステムは、エネルギーに特化したシステムですから、SCADAと比べれば導入コストを削減できます。また、既存のSCADAを活用してエネルギーマネジメントシステムを構築する事例もみられます。
エネルギーマネジメントシステムとBA(中央監視装置)の違い
BA(中央監視装置)は、建物や施設内の設備の稼働状況やエネルギー消費量など全般をカバーする大規模システムです。エネルギーマネジメントシステムは、エネルギーに特化したシステムですから、導入コストもBAよりも抑えられます。