サーキュラーエコノミーとは？

循環経済とも称される
サーキュラーエコノミー

サーキュラーエコノミーはできるだけ長期間製品や資材の価値を保持し、廃棄物を最小限に抑える経済のことをいいます。環境保護活動である3Rとは異なり、付加価値を生み出せる経済活動を目指しているのが特徴です。

サーキュラーエコノミーの取り組みが活発化している背景には、資源リスクの顕在化や、国際的な廃棄物処理システムの機能不全、サステナブル・ファイナンスの活発化など、さまざまな理由があります。

まず、少子高齢化が危ぶまれる日本ですが、世界規模で見ると人口は著しく増加しています。資材やエネルギー、食糧の需要が上昇しており、将来的に資材の価値はさらに高騰していくでしょう。また、アジアの国々で廃棄物の輸入の規制が始まったことで、固体廃棄物が国内に残留する事態に陥っています。世界のいたるところで廃棄物処理システムが逼迫し、資源循環システムの見直しを余儀なくされています。

さらに、ESG投資などを筆頭にサステナブル・ファイナンスが活性化し、SDGsの取り組みが企業や個人を問わず広まっているのも背景の一つ。気候変動分野以外を投資対象とするインデックス・ファンドなども登場しています。サーキュラーエコノミーへ移行する必要性が国際的に高まっているのです。

参照元：エバーグリーン・マーケティング株式会社公式HP（https://www.egmkt.co.jp/column/corporation/20220902_52.html）

リサイクル・リユースとの違い

サーキュラーエコノミーがリサイクルやリユースと異なるのは、廃棄を前提としていないことです。廃棄を無くして再利用を目指す点ではどちらも同じですが、3Rは資源を再利用しつつも最終的には廃棄が出てしまいます。一方で、サーキュラーエコノミーは原料調達の時点から再利用を目指し、従来廃棄物として処理されていたものを原料として再活用。バージン材料を投入しないで経済を循環させていくモデルとなっています。

サーキュラーエコノミーが
注目される理由

サーキュラーエコノミーが注目されているのは、経済成長と環境負荷低減化の両方を見据えたビジネスモデルだからです。サーキュラーエコノミーは原料を廃棄しないため、経済システムに対する資源の投入を最小限に抑えられ、投入した資源も余すことなく使いきれます。環境にやさしいと同時に投資コストを抑える効果があるでしょう。

加えて、新たなサービスの展開にも役立ちます。新規事業やイノベーションを構築する軸になると考えられています。収益を拡大できる可能性を秘めているのがサーキュラーエコノミーの魅力の一つです。さらに、SDGsやサステナブル社会実現の側面においても理想的なモデルであり、持続可能な社会を実現する有効的な手段です。このように、社会が抱える問題に多角的にアプローチできることから、サーキュラーエコノミーは注目を集めています。

サーキュラーエコノミーの構築に欠かせないポイント

サーキュラーエコノミーの構築には循環的視点を持つことが大切です。環境に配慮した素材をただ導入するのではなく、その素材をいかに再利用して循環させるかまで検討しなくてはなりません。また、利用者からの回収網を構築したり、他業者と協業したりすることもポイントです。

サーキュラーエコノミーには利用者に渡った商品を回収する工程が入ってくるので、売り切り型のビジネスにしないことが重要です。環境にやさしい素材を作り流通させ、それを再びリサイクルする上で、他企業との連携も欠かせません。一つの企業内ですべての回収網を構築しようとするのではなく、他社と協業する姿勢を持つのが成功の鍵でしょう。