デマンド監視装置とは、電力の使用状況を常時監視するシステムです。この装置を導入することで、ピーク時の電力使用量(最大需要電力)を把握でき、それを抑えることで契約電力を引き下げられるなど、電力にかかるコスト低減につなげられます。
ここでは、デマンド監視装置を活用した具体的な施策を事例をもとに見ていきましょう。
生コンクリートの製造などを行う河島コンクリート工業(東京都)では、社会貢献活動の一環として省エネ活動を推進。デマンド監視装置を導入することで、使用電力の見える化を実現するとともに、あらかじめ設定した使用量を超えると警報で知らせるしくみを整えました。
当初は警報が鳴るたびに慌てて対応するなど、社内で混乱もあったそうですが、工場設備の優先順位を決め、電力使用量が上がったら優先順位に沿って設備を休止させるといった施策でピーク時の使用量を抑える体制を整えていきました。
その結果、契約電力を20kW引き下げたプランに変更でき、全体の電力使用量の削減も実現。電力コストを抑えられるようになりました。
河島コンクリート工業の省エネ活動は社会的にも評価され、東京都の温暖化対策セミナーで取り組みを紹介するなど、社会貢献活動にもつなげています。
大阪夕陽丘学園では、少子化にともなう経営のスリム化を目指すうえで、コスト削減の検討をしていました。なかでも電気料金は度重なる値上げが経営を圧迫する要素のひとつとなっており、とりわけピーク時の電力使用量を抑えることで基本料金を下げられないかと考えていたようです。
そこで導入したのが、デマンド監視装置。デマンドに近づくとアラートを発し、使用電力の調整につなげられます。あわせて、自動制御によるエネルギー監視システムを導入。これまで広い学園内の節電を手動で対応していたのを、自動でコントロールしてくれるシステムに変更しました。
これらの施策により、契約電力は37kWも削減。使用電力も抑えられ、月額6万円の電気料金削減に成功しました。さらなる省エネ対策に向けて、大阪夕陽丘学園ではLEDや人感センサーなど設備投資も模索できるようになったようです。
使用電力を見える化するデマンド監視装置の設置は、企業省エネを推進する上で欠かせない基本的な施策です。
デマンド監視のように、さまざまなエネルギーを見える化することで適切な省エネの方法や取り入れるべき施策が見えてくるのです。それを叶えられるのが「エネルギーマネジメントシステム」です。
以下のページで、エネルギーマネジメントシステムの詳細や導入の方法などを詳しく解説しています。
「エネ監ポータル」では、「自社の範囲に合わせたシステム導入をしたい」、「既存設備の流用がしたい」、 「他社システムとの連携がしたい」、という導入目的に当てはまるシステムを提供している会社を提供会社の分類から1社ずつご紹介します。
引⽤元︓クレアビジョン公式サイト(https://clairvision.co.jp/service/ever-green-vision/)
エネルギー監視システム用のソフト開発から、パッケージ化されたシステムの提供までを実施。ITを軸にした価値提供をしています。
引⽤元︓マクニカ公式サイト(https://www.macnica.co.jp/business/energy/products/136384/)
マクニカは世界中の先端テクノロジーを組み合わせた提案・販売を得意とし、技術商社としての立場を確立してきた企業です。
引⽤元︓東京ガス(https://eee.tokyo-gas.co.jp/service/energymanagement/detail.html)
ガスと電気を対象にした自動制御によるエネルギーマネジメントシステムを提供。気象情報データと連動させた計画運転も可能です。
【選定条件】
「エネルギーマネジメントシステム」としてピックアップした事業者について:2023/6/30時点、「エネルギー管理システム」「エネルギーマネジメントシステム」「エネルギー監視システム」でgoogle検索を実施し、100位以内に表示された事業者52社から選出。
「自社の範囲に合わせたシステム導入をしたい」「既存設備の流用がしたい」「他社システムとの連携がしたい」「複数メーカーの機器を一元管理したい」という要望に応えられる事業者の内、各業種の分類から実績数が明確かつ多い企業をおすすめとして掲載しています。