分散型エネルギーとは比較的小規模の地域内で分散して配備されているエネルギーの総称で、従来の電力会社による大規模集中型エネルギーとは相対的な概念となります。
分散型エネルギーのリソースは大きく分けて「電気をつくる創エネ」「電気を貯める蓄エネ」「電気を効率良く使用する省エネ・制御系」の3つ。分散型エネルギーの例としては、一般家庭でも多く見られるようになった太陽光発電や蓄電池、エネファームなどが該当します。
利用シーンについても、分散型エネルギーが設置された施設内で利用する自産自消ケース、分散型エネルギーの近接地で面的に利用するケース、FIT売電などによる系統ネットワークを通じて遠隔地で利用されるケースなど、さまざまです。
分散型エネルギーの最大のメリットは、送電ロスを削減できることです。
従来の集中型発電だと大規模な発電施設が必要なため、どうしても土地のある郊外に設置することになります。そこから送電線によって各消費地に運ばれる際、距離が遠い消費地だと送電される過程で多くの電気がロスしてしまうのです。一方で、分散型エネルギーは消費地の近隣にある発電装置から電力が供給されるため、送電ロスを抑えることができます。
また、災害時に送電線が切れてしまった場合、集中型発電だと電力供給が滞る可能性があり、大規模な停電を引き起こしかねません。分散型発電だとそのリスクは低く、蓄電池を非常用電源として利用することで、停電時においても電力利用を継続できるメリットがあります。
さらに、発電時に回収した廃熱や再生可能エネルギーなどの有効活用によって化石燃料消費の削減を実現し、環境負荷の軽減に貢献できるのも分散型エネルギーならではです。
住宅用太陽光発電の多くは、停電時に自立運転を行なう機能が搭載されています。太陽光発電協会が自立運転機能の活用実態調査を行なったところ、北海道胆振東部での地震による停電の際に、住宅用太陽光発電を設置しているユーザーの約85%が自立運転機能を活用したと回答。
停電時でも電力利用を継続できたことで、「冷蔵庫やテレビ、携帯充電を使えた」「停電していたことにも気づかなかった」という声があがっています。
参照元:経済産業省「分散型エネルギーリソースの最適活用に向けた取組」[pdf](https://www.nedo.go.jp/content/100893756.pdf)
大企業や大型商業施設など電力を大量消費する大口需要家のケースでは、分散型エネルギーシステムを利用することで、敷地内に設置した再生可能エネルギー電源による自家消費が可能に。また、優先制御によって、敷地外や需要地から一定の距離を置いた場所にある再生可能エネルギー電源からの供給も実現しています。
参照元:資源エネルギー庁・環境省「分散型エネルギープラットフォームの開催について」[pdf]
(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/shiryou1kaisainituite.pdf)
分散型エネルギーは電力の供給方法の1つのため、供給方法ではなく使い方を見直して省エネに取り組みたい場合は、EMS(エネルギー監視システム)を活用するのがおすすめです。
省エネの実現には社内全体で取り組む必要があり、従業員の意識向上が重要になってきます。EMSなら電力の使用状況や取り組みへの効果が数値で見える化されるので、従業員の意識向上につながりやすく、省エネを推進しやすい環境をつくることができるでしょう。
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エネルギー監視システム用のソフト開発から、パッケージ化されたシステムの提供までを実施。ITを軸にした価値提供をしています。
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ガスと電気を対象にした自動制御によるエネルギーマネジメントシステムを提供。気象情報データと連動させた計画運転も可能です。
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