商業施設

目次

商業施設における省エネ対策のポイントと、具体的な省エネ施策や事例を紹介します。

商業施設における省エネ対策のポイント

ひとくちに商業施設といっても、業種や営業スタイルは多種多様で、エネルギーの消費箇所も異なります。

たとえば総合スーパーの場合、エネルギーの約40%が空調で使われているのに対し、デパート(百貨店)では照明やコンセントの使用割合が多くを占めます(※)。店舗によっては、冷蔵・冷凍設備などがあるバックヤードの割合が多いところもありますし、機械式駐車場を備えた施設なら屋外設備のエネルギー使用が多いところもあるでしょう。

このため、商業施設で省エネを進めるときは、エネルギー消費原単価を部門ごとに把握する必要があります。原単位を管理するツールには、ESUMなどのPCソフトやBEMS(ビルエネルギー管理システム)があります。

BEMSを導入すれば、「いつ、どこで、どれくらいのエネルギーが消費されているか」といったエネルギーの見える化を実現し、省エネ対策を図りやすくなります。

※参照元:2021年6月調査時点、一般財団法人省エネルギーセンター https://www.eccj.or.jp/commercial_bldg/s2.html

脱炭素社会・
カーボンニュートラル
にEMSはなぜ必要?

エネルギー監視システム選定の重要ポイント

BEMSイメージ

エネルギー監視を行う施設の種類や現状によって、選定すべきシステムの種類は変わってくることかと思います。
目的は変わらないため、どのシステムを導入しても結果が大きく変わるものではないのですが、システムによって導入費用を低く抑えたり、効率よく運用ができるかもしれません。
それを見分ける方法として、当「エネ監ポータル」では各企業がエネルギー監視システムを提供するに至った経緯を分析。そこには企業選定における重要な考え方がありました。

エネルギー監視システムの
特徴・おすすめポイントを比較してみる

具体的な省エネ施策例

空調や換気設備の省エネ対策として、外気導入の全熱交換器を採用する方法があります。来店者数などに応じて取り込む外気量を設定し、店内環境の適正化を図れます。また、外気の影響を受けやすい出入口には風除室を設けるのも一手です。

照明は、LEDやインバータ照明など省エネタイプのものを採用しましょう。デパートの一階をみると、照度の高い白熱電球を使っているところも多いです。店内演出に必要とはいえ、白熱電球の割合を減らすことも検討します。

このほか、ファンやポンプなど熱搬送設備については、BEMSの導入により機器の運転台数制御するなど、必要なエネルギー量をコントロールすることで省エネ化を図りましょう。

商業施設の省エネ事例

埼玉県を中心に展開する総合食品スーパー「ヤオフジ」の省エネ事例を紹介します。

ヤオフジでは、増大する電力コストと環境への配慮の両面から、消費電力の課題を抱えていました。人手による省エネ施策も行っていましたが、効果が不明瞭でスタッフの意識も薄らいでいたそうです。

そこで、エネルギー監視システムを導入して消費電力の見える化を実施。あわせて、倉庫や事務所などに人感センサーの照明を採用するなど、節電効果の高い設備更新も行いました。

その結果、消費電力は10%削減に成功。スタッフの節電意識も高まり、さらなる節電にも取り組んでいるそうです。

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3つの導入理由からひも解く
エネルギー監視システム
おすすめ3選

「エネ監ポータル」では、「自社の範囲に合わせたシステム導入をしたい」、「既存設備の流用がしたい」、 「他社システムとの連携がしたい」、という導入目的に当てはまるシステムを提供している会社を提供会社の分類から1社ずつご紹介します。

ITを軸にしたエネルギー監視システム
クレアビジョンEverGreenVision
クレアビジョン

引⽤元︓クレアビジョン公式サイト(https://clairvision.co.jp/service/ever-green-vision/)

エネルギー監視システム用のソフト開発から、パッケージ化されたシステムの提供までを実施。ITを軸にした価値提供をしています。

EMSの特徴
  • 監視できるエネルギーの範囲や機能にほとんど制限がない
  • 既存計器や安価な機器も組み込める
  • 電気や水・ガスなどのエネルギーを計測できる
  • IoTに関連した機能により故障予知や原単位管理も可能
導入後サポート
充実した監視システム
マクニカKisenseⓇ
マクニカ

引⽤元︓マクニカ公式サイト(https://www.macnica.co.jp/business/energy/products/136384/)

マクニカは世界中の先端テクノロジーを組み合わせた提案・販売を得意とし、技術商社としての立場を確立してきた企業です。

EMSの特徴
  • 世界的に多数の導入実績があるEMS
  • センサーを中心に扱っている企業のため、知識力が高い
  • データレビューのサービスがあり、導入が無駄にならない
  • Windowsの操作に似た操作感で直管的に使える
ガスと電気の総合自動制御システム
東京ガスエネルギーサービス
東京ガス

引⽤元︓東京ガス(https://eee.tokyo-gas.co.jp/service/energymanagement/detail.html)

ガスと電気を対象にした自動制御によるエネルギーマネジメントシステムを提供。気象情報データと連動させた計画運転も可能です。

EMSの特徴
  • 遠隔での監視・運転制御により省コストを実現
  • 室温に応じた省エネ運転を室外機の遠隔制御により自動で行う
  • 遠隔監視により故障予知や省エネ運転なども可能

【選定条件】
「エネルギーマネジメントシステム」としてピックアップした事業者について:2023/6/30時点、「エネルギー管理システム」「エネルギーマネジメントシステム」「エネルギー監視システム」でgoogle検索を実施し、100位以内に表示された事業者52社から選出。
「自社の範囲に合わせたシステム導入をしたい」「既存設備の流用がしたい」「他社システムとの連携がしたい」「複数メーカーの機器を一元管理したい」という要望に応えられる事業者の内、各業種の分類から実績数が明確かつ多い企業をおすすめとして掲載しています。