ピークカットとは、使用量がもっとも多い時間帯の電力(デマンド)をさまざまな方法で制御して、電力使用量を抑えることです。ピーク時の電力使用量は、契約電力を決める指標となりますから、ピークカットをすることで契約電力を抑えられ、基本料金の低減につなげられます。
ここでは、ピークカットの具体的な施策を事例をもとに見ていきましょう。
大阪府に本社を構える山口包装工業は、工業用原料を包装する大型紙袋を中心に、ポリエチレン袋やPPアルミパックなど包装資材を扱うメーカーです。こちらがBEMSを導入した目的の一つが、電気料金の削減。全体の使用量を削減するとともに、デマンドを抑えることで契約電力の見直しを図れないかと考えました。
システム導入後、使用電力量の見える化によって「異なる部署で大型機械を同時使用していることがデマンド値に影響を与えている」という事実が判明します。そこで山口包装工業では、部署間で大型機械の使用時間を調整し、デマンド値の抑制に努めました。
その結果、契約電力を7kW引き下げることに成功。全体の電気使用量も9%削減でき、電気料金の削減目標を達成できたそうです。
160もの店舗や施設が集まる複合商業施設「サッポロファクトリー」(北海道)。エネルギー監視システムの導入前より、さまざまな省エネ対策を実施していましたが、寒冷地ならではの冬場のデマンドの高さに苦慮していました。
システム導入により、無駄なエネルギー使用が見える化したことで、新たな省エネ対策に着手。なかでも、空調機ファンと温水搬送ポンプのエネルギー量が大きいことから、インバータを導入して快適性を維持しながら制御する施策を実行します。
この施策によって、エネルギー消費量を冬場5カ月間のみで1.05%も削減。目標値を大幅に上回る成果を挙げられ、ピークカットもできました。
なお、サッポロファクトリーではCO2取引を実施するなど、ショッピングモールとしては先進的な取り組みも行っています。
※参照元:[PDF]アズビル https://www.azbil.com/jp/csr/pdf/report2011.pdf
使用エネルギーをテクニカルに抑えて契約電気料金を調整、または自動制御するピークカット制御は、企業省エネにおける簡単かつ効果の出やすい施策といえます。
ピークカット制御を行うためには、当たり前このことですが、さまざまなエネルギーを見える化させる必要があります。そのためには高度な「エネルギーマネジメントシステム」の導入が重要となるのです。
以下のページで、エネルギーマネジメントシステムの詳細や導入の方法などを詳しく解説しています。
「エネ監ポータル」では、「自社の範囲に合わせたシステム導入をしたい」、「既存設備の流用がしたい」、 「他社システムとの連携がしたい」、という導入目的に当てはまるシステムを提供している会社を提供会社の分類から1社ずつご紹介します。
引⽤元︓クレアビジョン公式サイト(https://clairvision.co.jp/service/ever-green-vision/)
エネルギー監視システム用のソフト開発から、パッケージ化されたシステムの提供までを実施。ITを軸にした価値提供をしています。
引⽤元︓マクニカ公式サイト(https://www.macnica.co.jp/business/energy/products/136384/)
マクニカは世界中の先端テクノロジーを組み合わせた提案・販売を得意とし、技術商社としての立場を確立してきた企業です。
引⽤元︓東京ガス(https://eee.tokyo-gas.co.jp/service/energymanagement/detail.html)
ガスと電気を対象にした自動制御によるエネルギーマネジメントシステムを提供。気象情報データと連動させた計画運転も可能です。
【選定条件】
「エネルギーマネジメントシステム」としてピックアップした事業者について:2023/6/30時点、「エネルギー管理システム」「エネルギーマネジメントシステム」「エネルギー監視システム」でgoogle検索を実施し、100位以内に表示された事業者52社から選出。
「自社の範囲に合わせたシステム導入をしたい」「既存設備の流用がしたい」「他社システムとの連携がしたい」「複数メーカーの機器を一元管理したい」という要望に応えられる事業者の内、各業種の分類から実績数が明確かつ多い企業をおすすめとして掲載しています。